柳田國男の理論には 「ちょっと待て・・・」 と言いたくなるほど
かなり強引なモノが多いのですが、
そんな中の一つに 「方言周圏論」 があります。
方言は 「京都」 を中心地として、そこから同心円状に広がっている・・・という理論。
それが方言周圏論。
柳田國男がこの 「方言周圏論」 を説明するのに使っているのが 「かたつむり」 という言葉。
「かたつむり」 を指す方言を調べてみると、以下のように分布してるらしいのです。
近畿 「デンデンムシ」
中部・四国 「マイマイ」
関東・四国 「カタツムリ」
東北・九州 「ツブリ」
東北・九州 「ナメクジ」
解かりやすいように図にしてみるとこんな感じ。
「京都から同じ距離だけ離れている地域の方言は一致している」
要するに 「方言周圏論」 とはこういう説。
島根県の人と埼玉県の人は同じ方言。
長崎県の人と山形県の人は同じ方言。
この説でいくと、我が静岡県人は広島の方々と同じ方言となります。
ね。かなり強引でしょ?
でもこの強引さが柳田國男の魅力なのです。
そして方言は、内から外へと1年に800メートルのスピードで広がっていくため、
最も外周円に位置する東北北部や九州南部においては、
ナメクジ → ツブリ → カタツムリ → マイマイ → デンデンムシ
へと、塗りつぶされるように方言が進化していきまして、
やがて日本全国が 「デンデンムシ」 に塗りつぶされるコトとなります。
すごいですよね。
まあとうてい信じられませんけど、確かに面白い説ではあります。
民俗学の権威が仰るのならば尚更。
権威に弱い私としては、信じられなくても信じたい説ですね。
現在における日本の中心地は 「東京」。
「方言周圏論」 でいえば、大阪と山形が 「同心円」 に入ります。
大阪と山形で偶然に同じモノが流行る・・・・・。
こういう現象って全くないとも言い切れないですよね。
実は 「方言周圏論」 で最も有名なのは 「アホ・バカ分布図」。
これは 「探偵ナイトスクープ」 の企画で、
「アホ」 を使う地域と 「バカ」 を使う地域の境界はどこか?
っていう調査を行っていたところ、その間に 「タワケ」 を使うエリアが存在し、
さらに京都を中心として見事な 「同心円」 を描いていたコトが判明。
何気に柳田國男の理論の正しさを証明しちゃいました。
探偵ナイトスクープは上岡局長の頃はよく見てましたねー。
内容はほとんど忘れちゃいましたけど・・・・。