「もうちっとだけ続くのじゃ」
これは20世紀最大のウソ。と名高い亀仙人の言葉ですが、
実は「日本武尊」の話って、「古事記」全体から見れば中盤。
まだ半分を過ぎたくらいしか進んでないのです。
前回のセリフは「うそ」なのです。
そこで「日本武尊」以後のストーリーを進めていきましょう。
景行天皇の死後。皇位は天皇の長男が継ぐのですが、早死にしてしまいます。
そして彼には息子がいませんでした。
そこで次の皇位は 「日本武尊」 の息子が継承するコトとなりました。
この天皇が、14代 「仲哀天皇」。
しかしこの 「仲哀天皇」 も大した見せ場もなく舞台から去ります。
目立つエピソードを残しているのは、むしろ仲哀天皇の妃。
「神功皇后」 です。
「神功皇后」 のエピソードで有名なのは、何といっても「新羅征討」。
仲哀天皇の死後。神功皇后はその死を隠して自ら軍船に乗り「新羅」を目指します。
まだこの頃の航海技術は貧弱なので、無事に朝鮮へ渡れるか心配だったのですが、
神功皇后を乗せた船は、途中で魚の大群に遭遇。
で。その魚たちが船を背負いまして、一気に朝鮮半島まで運んでくれます。
しかもそのとき高波が新羅国中を襲い、神功皇后を乗せた船はそのまま「新羅国王」の城内へ。
「・・・・・・?」
いきなりの事態に混乱した新羅国王は、神功皇后に降伏。
そして皇后は持っていた矛を、戦勝の証として新羅国王の城門の前に突き刺したのでした。
なんともパワフルな皇后。
しかもこの皇后。渡海前からすでに妊娠しておりまして、
「新羅を降伏させてから、日本に戻ってくるまでは生まれないで欲しい」
と言って、石(マジックアイテム)を腰に巻いた状態で戦っていたのでした。
無事に日本へ帰国した神功皇后。
その石を外すと、たちまち子供が生まれます。
この子供が15代 「応神天皇」。
そしてこの 「応神天皇」 以降の天皇は、実在の人物として認められています。
つまり。
14代 「仲哀天皇」(と 「神功皇后」) の話までが 「神話」。
15代 「応神天皇」 以降の話が 「歴史」。
と明確に区別されるワケです。
「古事記」ではこの辺が上手く描かれているので、
最初は明らかに「神話」だった物語が、いつのまにか実在の「歴史」になっている。
というトリックが仕組まれている形になってます。
応神天皇の後。23代 「顕宗天皇」 までは、簡単なエピソードも描かれてるのですが、
24代 「仁賢天皇」 からは、何のエピソードも描かれず、
ただ名前が羅列されるだけの状態となります。(欠史十代)
そして33代 「推古天皇」 が登場した時点で、古事記の物語はおしまい。
でも「日本神話」という視点で考えれば、「神功皇后」の物語で幕を引くのが正解。
「もうちっとだけ続くんじゃ」
というセリフも、実は間違ってないのです。